特集 周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル 第3版
産科編 分娩 赤ちゃんが大きくなりすぎるときも誘発分娩になりますか?
坂井 昌人
1
1東京ベイ浦安・市川医療センター産婦人科
キーワード:
帝王切開術
,
自然分娩
,
分娩誘発法
,
巨大胎児
Keyword:
Labor, Induced
,
Natural Childbirth
,
Fetal Macrosomia
,
Cesarean Section
pp.260-262
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020088332
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<回答のポイント>1)誘発を考慮するHFD(heavy for date)児のリスクとして、分娩遷延、児頭骨盤不均衡(CPD)、肩甲難産、新生児仮死や外傷などが考えられる。2)一般的に児体重が大きいほどそれらの発症リスクは高まるが、一律にリスクを評価できない。3)大きな胎児では推定児体重の誤差の絶対値が大きく、さらに肩甲難産やCPDの推定は困難である。4)児発育が過剰になる前に分娩誘発を行うことが、不良な転帰の予防になるのかについては依然として明らかでない部分が多い。5)母体の体格に比し極端な胎児発育過剰の場合は帝王切開の選択が推奨される。6)分娩におけるこの領域の現状を妊婦・家族に説明し理解を共有した上で相談し、分娩方針を決めていくのがよい。
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