特集 多発性骨髄腫治療の最前線2017
序 ~生存期間の延長と良好なQOL維持を目指した骨髄腫に対する治療戦略~
李政樹
1
,
飯田真介
2
Masaki Ri
1
,
Shinsuke Iida
2
1名古屋市立大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学分野 助教
2名古屋市立大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学分野 教授
pp.1233-1237
発行日 2017年8月30日
Published Date 2017/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201709017
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多発性骨髄腫の腫瘍進展機構に関する基礎的研究成果の蓄積とともに,最近の新規治療薬の開発スピードには目を見張るものがある。新たに加わった抗体療法とともに,骨髄微小環境における腫瘍免疫抑制機序に関する理解が深まり,若年者に対する治癒を目指した治療法開発が進んでいる。一方,再発・難治状態にある個々の多発性骨髄腫患者には,病態および身体状態を的確に把握し,良好なQOL維持を優先した適切な治療の選択が求められている。