特集 トロンボポエチン受容体作動薬の臨床応用 ~現況と展望~
序 ~さらに広がるトロンボポエチン受容体作動薬の臨床応用~
宮川義隆
1
Yoshitaka Miyakawa
1
1埼玉医科大学医学部 総合診療内科(血液)教授
pp.167-169
発行日 2015年1月30日
Published Date 2015/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201502017
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巨核球造血因子であるトロンボポエチンは,1994年に複数の研究者により遺伝子クローニングされた。あいにくトロンボポエチンの臨床開発は副作用のため中止されたが,第二世代のトロンボポエチン受容体作動薬が既に臨床応用されている。国内では現在,慢性特発性血小板減少性紫斑病に対して2種類の薬剤(エルトロンボパグ錠,ロミプロスチム注射液)が承認されている。海外では,C型肝硬変による血小板減少症と再生不良性貧血に対して,エルトロンボパグが承認されている。トロンボポエチン受容体作動薬には強力な血小板増加作用があり,骨髄異形成症候群,固形がんに対する化学療法による血小板減少に対して,海外で臨床開発が進められている。特に最近注目されているのは,再生不良性貧血への応用である。本特集ではトロンボポエチンの発見から,さらに広がるトロンボポエチン受容体作動薬の臨床応用について,第一線の研究者に解説をお願いした。これを機会に巨核球・血小板造血の世界にも興味をお持ちいただければ,企画者として嬉しく思う。