特集 骨髄増殖性腫瘍
1.骨髄増殖性腫瘍病態解明の進歩
中島秀明
1
Hideaki Nakajima
1
1慶應義塾大学医学部 血液内科 准教授
pp.989-995
発行日 2014年6月30日
Published Date 2014/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201407021
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骨髄増殖性腫瘍(MPN)の疾患原因としてJAK2・MPL変異が知られているが,これらが陰性の患者が数十%存在する。昨年,MPNの新たなドライバー変異としてCalreticulin(CALR)遺伝子変異が同定された。CALR変異はJAK2・MPL変異陰性本態性血小板増多症・原発性骨髄線維症の70~90%に認められ,サブクローン解析からJAK2・MPL変異と同様に,疾患初期から存在するinitiating eventと考えられた。CALR変異の発見により,MPNの分子病態解明と治療法の発展が期待される。