連載 記憶に残る症例(44)
「喘息+DPB」の病名を持って受診した患者さん
檜澤伸之
1
Nobuyuki Hizawa
1
1筑波大学医学医療系呼吸器内科教授
pp.116-119
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201901116
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
今回紹介させていただく症例は,いずれも「喘息+DPB(びまん性汎細気管支炎)」の病名をもって受診した患者さんである。いずれの症例もICS/LABA(吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬)とマクロライド系抗生物質の長期投与で明らかな効果を認めず,ICSを中止または減量することで症状や呼吸機能の改善を得た。喘息やDPBといった病名シールを貼って安心するのではなく,常に患者さんの病態を考えて治療することの重要性を教えてくれた。さらに,非好酸球性喘息病態のより深い理解に向けた研究へのモチベーションとアイデアを与えてくれた貴重な症例でもある。