特集 気道の炎症をめぐって
Ⅱ.自然免疫と獲得免疫
長瀬洋之
1
Hiroyuki Nagase
1
1帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授
pp.442-449
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201704020
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獲得免疫は,アレルゲンと局所のサイトカインで刺激された樹状細胞により,主に抗原特異的Th2が誘導される系である。自然免疫は,Toll-like受容体等の菌体成分認識受容体により発動し,その刺激はアレルギー発症を抑制する可能性がある。またILC2は,気道上皮由来のIL-25やIL-33により,抗原非特異的にIL-5やIL-13などのサイトカインを大量に産生する細胞で,アレルギー疾患への大きな関与が示されつつある。これらの分子は,喘息の治療標的として有望である。