原著
吸入指導におけるポータブル動画の有効性
松野治
1
,
武岡佐和
1
,
谷恵利子
1
,
源誠二郎
1
Osamu Matsuno
1
,
Sawa Takeoka
1
,
Eriko Tani
1
,
Seijiro Minamoto
1
1大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターアレルギー内科
pp.1276-1282
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201609100
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目的:指導のための患者指導用資材は様々あるが,その効果について検討した報告は少ない。そこで我々は,メーカー配布のポータブル動画を用いて,アドヒアランス,吸入手技等,その効果を検証した。 方法:ブデソニド/ホルモテロール配合剤を投与され,外来パスにより吸入指導を受けた初診患者(n=104)を,ポータブル動画視聴群と非視聴群に無作為に割り付け,1カ月後に視聴群には動画視聴させた(n=83;視聴群,n=35;非視聴群,n=48)。動画には喘息の病態,吸入薬の作用機序および継続の必要性,操作についての内容が含まれていた。3カ月後にアドヒアランス,吸入手技・治療意義の理解,スパイロメトリー,モストグラフ,喘息症状も比較検討した。 結果:3カ月後に検討できたのは計40例であった(視聴群,n=24;非視聴群,n=16)。ACQ-5,自己評価アンケート,呼吸機能検査値,モストグラフの各値とも両群間に差を認めなかった。しかし,動画視聴群のほうが,アドヒアランスが有意に高かった(P=0.002)。 結論:動画視聴によりアドヒアランスが向上する可能性がある。