特集 色々なアレルギー疾患における最近の進歩
IV.耳鼻咽喉科 2.後鼻神経切断術のアレルギー性鼻炎に対する効果
池田勝久
1
1順天堂大学医学部耳鼻咽喉科学講座主任教授
pp.1598-1603
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201511106
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アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎の外科的治療の戦略目的は,下鼻甲介に存在する効果器の物理的または機能的除去である。難治性の水様性鼻漏やくしゃみに対する積極的なアプローチとして,下鼻甲介に分布する副交感神経と知覚神経を選択的に切断する後鼻神経切断術がある。後鼻神経切断術前後の下鼻甲介粘膜の組織を検討した結果,後鼻神経切断術の作用機序として,〈1〉副交感神経切断による鼻腺からの分泌が抑制したことと,〈2〉知覚神経切断による末梢感覚神経からの神経ペプチド放出の抑制が神経原性炎症を軽減したことが考えられる。