連載 カラーグラフィック
感染症診断と病理
7.特異性より感度を重視する免疫染色
堤寬
1
Tsutsumi Yutaka
1
1はるひ呼吸器病院病理診断科 病理部長
pp.4-20
発行日 2017年12月25日
Published Date 2017/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201801004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
病理診断の現場では,病変が感染症か否かの判断を求められる場面が少なくない。どのような種類の病原体なのかより,病原体が存在するかどうかの存在診断が優先される。このような場合,筆者は,抗大腸菌(Escherichia coli)家兎血清,抗BCG(Bacillus Calmet Guérin)家兎血清,抗梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)家兎血清,抗セレウス菌(Bacillus cereus)家兎血清の計4種の抗血清を細菌性病原体のスクリーニング用に利用している。本稿では,広い交差反応を示す抗病原体抗血清による免疫染色を中心に,邪道とも言われかねない特異性より感度を重視する免疫染色の有用性を紹介する。抗病原体抗血清による免疫染色が陰性で,最終的に肺リウマチ結節と診断された壊死性肉芽腫結節を冒頭ページに例示する。