Japanese
English
特集 バイオフィルム研究の最前線
Ⅲ 水処理・工学 1.バイオフィルムを利用した界面微生物工学
Interfacial microbiology and engineering using biofilms
堀克敏
1
Hori Katsutoshi
1
1名古屋大学大学院工学研究科化学・生物工学専攻生物機能工学分野 教授
キーワード:
界面微生物工学
,
微生物付着
,
バイオフィルムリアクター
,
微生物固定化
,
バクテリオナノファイバー
Keyword:
界面微生物工学
,
微生物付着
,
バイオフィルムリアクター
,
微生物固定化
,
バクテリオナノファイバー
pp.88-96
発行日 2015年10月25日
Published Date 2015/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201511088
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
微生物汚染や薬剤耐性菌の温床など,害悪の面に関心が向かいがちなバイオフィルムであるが,排水処理や発酵食品の分野では昔から利用されてきたし,最近では,化学物質の生産などへの利用の検討もはじまっている。本稿では,後者の視点で解説する。排水処理では,生物膜法として固定床や流動床の形態で利用されてきた。化学物質生産への利用については課題も多いが,バイオフィルムリアクターの研究は進んでいる。筆者らは,高付着性細菌の接着性ナノファイバーを利用した新規微生物固定化技術を開発し,その効果を示してきた。バイオフィルムを防除するにも利用するにも,その形成や付着メカニズムの解明が欠かせない。筆者らは,メカニズムに基づく技術開発と他分野との融合により,新規学問研究分野としての界面微生物工学の創生を目指している。