Japanese
English
特集 国境を越える重症新興・再興感染症
11.麻疹排除へ向けて
Toward elimination of measles
竹田誠
1
,
駒瀬勝啓
2
Takeda Makoto
1
,
Komase Katsuhiro
2
1国立感染症研究所ウイルス第三部 部長
2国立感染症研究所ウイルス第三部 第一室(麻疹担当室)長
キーワード:
麻疹
,
排除
,
輸入症例
Keyword:
麻疹
,
排除
,
輸入症例
pp.102-108
発行日 2015年5月25日
Published Date 2015/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201506102
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麻疹は伝染力が非常に強く,しかも致死率の高い感染症であるが,効果,安全性ともに非常に優れたワクチンが開発されている。世界保健機関(WHO)が中心となって麻疹を排除するための活動が世界中で行われている。かつて麻疹の流行国であったわが国でも近年の対策によって患者数は激減し,麻疹排除の達成あるいはそれに近い状態になったと考えられている。すでに,わが国では麻疹ウイルスの継続的な伝播は起こっておらず,海外で感染してわが国で発症したと考えらえる輸入症例や,それらの症例にともなう地域的な小流行が目立つようになった。2013年4月に「麻疹に関する特定感染症予防指針」が改正され,今年(2015年)度中にWHOから麻疹排除の認定を受けることが目標として掲げられている。