発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018092076
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
中村病院(京都府宇治市)は全床が療養病床で,入院患者の9割は後期高齢者である。嚥下機能の低下が原因で起こる誤嚥性肺炎や,寝たきりでのオムツ使用により局部の清浄性が低下して尿路感染が多発していることより,抗菌薬は日常的に使用されている。また基礎疾患保持者・易感染宿主であるため難治性感染症を発症し,長期にわたり抗菌薬が処方されることもある。療養病床は包括診療であるため,コストパフォーマンスにも優れた医薬品の採用が必要である。当然,有害事象や菌交代現象,耐性菌の出現を防ぐために抗菌薬の適正使用に努めなければならない。本稿では,抗菌薬の投与開始から終了までの各フェーズにおいて独自のツールを用いた抗菌薬の適正使用を目指す薬剤師の取り組みを紹介する。