特集 睡眠科学の新潮流
5.認知症と睡眠障害
松尾雅博
1
1滋賀医科大学医学部附属病院精神科・講師
pp.651-654
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201702091
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昨今では認知症が身近な疾患となってきているが,睡眠との関連については意外と知られていない。睡眠衛生・睡眠障害への対応が,認知症の治療・発症予防に役立つ可能性が知られている。特に,適切な睡眠がアミロイドβ蓄積を予防する可能性は,アルツハイマー型認知症の予防に重要であるほか,レビー小体型認知症の前駆症状として出現するレム睡眠行動障害も注目されている。一方で,ベンゾジアゼピン系睡眠導入薬による睡眠加療が,却って認知機能を低下させることも報告されている。