特集 移行期医療~小児期から成人期への円滑な橋渡しを目指して~
3.小児がん
前田美穂
1
1日本医科大学小児科・教授
pp.69-74
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201701069
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小児がんの移行期医療における特徴は,疾病そのものは治癒している場合がほとんどであるが,治療や疾病そのものに関連して将来的に出現するかもしれない合併症(いわゆる晩期合併症)をスクリーニングなどにより,フォローアップしていくことが主であるということである。また,小児がん治療中や治療後に起こる心理的な問題への解決も大切である。成人期の医療者が小児がんの治療そのものを理解し,どのようにフォローアップをしていくかを認識できるように,小児科医はしっかりと申し送る必要がある。また,小児がん経験者も自立し,自ら成人診療科へのフォローアップを間違いのないよう受けなくてはならない。このためには,小児医療から成人医療への段階的な移行が重要である。