特集 移行期医療~小児期から成人期への円滑な橋渡しを目指して~
1.移行期医療に求められる医療のあり方
横谷進
1
1国立成育医療研究センター病院・副院長/生体防御系内科部・部長
pp.59-61
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201701059
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小児期発症の慢性疾患に罹患している患者の成人医療への移行には,克服すべきさまざまな課題がある。日本小児科学会は,移行期医療に関する基本的な考え方を「小児期発症疾患を有する患者の移行期医療に関する提言」として,2014年に公表した。移行期医療では,患者の自己決定権を基本にしつつ,身体的変化,人格的成熟に対応した医療が提供されなければならない。その具体化のために何が必要であるかも明らかになってきた。今後も,学会,医療機関,患者,(そして本稿では述べられなかったが)行政の地道な努力と協力が必要である。その行く先は,一生を支える生涯管理に向かっている。