特集 がん患者のこころを救え ~サイコオンコロジーの最前線~
5.がん患者の不安,抑うつのマネジメント:最新の知見も含めて
中原理佳
1
,
清水研
2
1国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科 医長
2国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科 科長
pp.2689-2693
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201612089
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がん患者の約半数に精神医学的診断のつく精神症状が認められ,中でも不安や抑うつを伴う適応障害とうつ病の頻度が高いことが知られている。がん患者の不安や抑うつには,疼痛などの身体症状や,身体機能の低下,薬剤の影響などの医学的要因,患者個人の性格傾向やコーピング,ソーシャルサポートといった心理社会的要因などの多様な要因が関連しているのが特徴である。
治療を行う際には,これらの特徴を理解した上で,適切な症状評価を行い,他の診療科や多職種との連携をとりながら,個々の患者に適した包括的なマネジメントを行っていくことが重要である。