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第1回慶應の薬学シンポジウム 研究者の共通基盤“創薬研究センター”設立 アカデミア発の画期的な新薬創出を推進
pp.1064-1075
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201504030
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慶應義塾大学薬学部は3月11日,同学部に創薬研究センターが開所したのを記念し,芝共立キャンパスで第1回慶應の薬学シンポジウムを開催した。同センターは,アカデミア発の創薬を目指し,医学部や理工学部といった多彩な理系学部を擁する慶應義塾大学の特色を活かして,画期的新薬を効率的に開発する基盤となるべく創設されたもの。近年,創薬を取り巻く環境は日進月歩で,新たな研究分野や先端技術への対応,臨床研究スキームの変化など,解決すべき課題は山積している。特にわが国は,欧米に比べてアカデミア発の新薬の比率が低いとかねてより指摘されており,企業主導の創薬開発が研究コストの増大などから停滞の兆しを見せる中,アカデミアへの期待は大きい。同センターは,同大薬学部と学内他学部との連携にとどまらず,行政や他大学,他研究機関,製薬企業,食品会社といったさまざまな組織との連携を図り,広く社会に開かれた創薬のプラットフォームとなることを目標としている。アカデミアの機動力を活かして,日本の創薬環境を活性化する起爆剤となることが,同センターの使命であると言えるだろう。シンポジウムでは,同大薬学部の研究者のほか,医学部からも研究者が登壇し,今後の創薬のあり方について活発な報告がなされた。