税と社会保障の適正化

　米国は１％の富裕層と，99％の中・低所得者層に大きく２極化している。後者の99％の米国民にとって，医療費の負担は極めて重い。2014年に，国民皆保険を目指した医療保険制度改革（オバマケア）が成立したが，制度の先行きは不透明である。オバマ大統領率いる民主党は，同年11月の中間選挙で歴史的大敗を喫し，政策遂行が一段と困難になった。一方，日本では12月の衆議院選挙で与党が圧勝した。大胆な金融政策と財政政策により，経済の再生，デフレーションからの脱却を進めている。社会保障と税の一体改革を目指して，社会保障体系全体の中で，医療・介護と税の理想を議論する必要がある。国民の２極化を避け，国民全体が豊かになる道を期待したい。