連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わり PART II .服薬指導と病棟活動(87)
リーフレットを用いた医療用麻薬に関する説明とその効果の検討
下村祥子
1
1大阪市立大学医学部附属病院薬剤部/緩和ケアチーム
pp.1835-1840
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201407147
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がん疼痛治療において,昨今では医療用麻薬(以下,麻薬)を使用するケースが増加し,その選択肢も広がりつつある。しかし,患者が麻薬の副作用に対して不安を抱えていたり,知識不足から麻薬を誤解している場合があり,麻薬の導入に難渋する症例が見られる。それらを解消するために,麻薬の使用意義,副作用症状やその対処方法,医療従事者への伝達方法などをまとめたリーフレットを作成した。今回,麻薬を初回導入した入院患者を対象に,リーフレットの内容に対する評価と麻薬に対する認識の改善効果の検討を行った。その結果,麻薬に対する正しい知識を提供することで,麻薬の負の印象や抵抗感が軽減でき,患者の疼痛治療への積極的な参加やQOL(quality of life)の向上へつなげられることが示唆された。