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第9回日本統合失調症学会 大会テーマ「培ってきたものを活かす。そして,もう一歩先へ」
pp.1116-1123
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201404034
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第9回日本統合失調症学会が3月14~ 15日,京都市内の京都テルサで開催された。大会テーマは「培ってきたものを活かす。そして,もう一歩先へ」,大会長は京都大学精神医学教授・村井俊哉氏。近年,精神医学の扱う病態は極めて多岐にわたり,かつてに比べれば統合失調症は,医師が精神科医を目指す一番の理由とはならなくなってきた。しかし,それは統合失調症の研究・臨床が,トーンダウンしているということではない。むしろ精神科医が,多様な精神医学的病態に対する理解を深める中で,より俯瞰的な視点のもと,統合失調症を考える時期に至ったことの証左と言える。統合失調症の当事者の視点に立つ医療と研究を進めるために,本学会への期待はますます高まっていると言えよう。学会では,シンポジウム「DSM-5時代における統合失調症と周辺領域の境界線」が催され,さまざまな精神疾患と統合失調症との相違を,どのように鑑別していくべきかが討議された。(※DSM-5:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders第5版)。