特集2 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)
3.CTEPHの画像診断と鑑別診断
福田哲也
1
1国立循環器病研究センター病院放射線部・医長
pp.2831-2839
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201312107
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慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)の画像診断は,肺換気・血流シンチグラム,CT(computed tomography),血管造影を用いて行われる。CTEPHのCT所見は, 肺動脈に直接現れる変化(完全閉塞,部分閉塞,偏心性血栓,石灰化血栓,web,band,狭窄後拡張), 肺高血圧症に伴う変化(肺中枢血管の拡大,心肥大), 側副血行路の発達(気管支動脈,肋間動脈,内胸動脈拡大など), 肺実質に現れる所見に大別される。血管造影においてCTEPHの末梢病変の観察のためには,区域枝レベルまでカテーテルを進めて造影するwedge angiographyが必要である。通常の肺動脈造影において末梢が描出されない完全閉塞と思われる病変も,wedge angiographyにおいては末梢の血管の開存や塊状のweb,線状のbandなどCTEPHに特異的な所見が認められる。