医薬ジャーナル論壇
現代社会は,大量絶滅から何を学ぶのか
佐藤博
1
1新潟大学医歯学総合病院教授・薬剤部長
pp.2747-2749
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201312023
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産業革命以来,ヒトの生活圏の拡大と温暖化により,他の生物種の大量絶滅が進行している。一方,インターネットの進展による産業の国際分業化や寡占化は,多くのブランドとも言える企業や製品群を消し去ってきた。医薬品や医療機器開発の変遷と軌を一にする医療も,その影響を免れない。ワークシェアを許さないネットが引き起こすさまざまなジャンルでの絶滅と新生を,適正循環の範囲内に収められるかどうかが,社会的多様性を担保し,ひいては危惧すべき現代文明の広範なる黒色頁岩化と言うべき大量絶滅を回避する鍵を握っていそうである。