特集 実践!感染症の治療と制御
10.尿路感染治療の実際
和田耕一郎
1
,
公文裕巳
2
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器病態学
2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器病態学 教授/診療科長
pp.1717-1722
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201307103
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尿路感染症は最も高頻度に見られる細菌感染症であり,軽症例から敗血症に移行するような重症例,時に死亡例も見られる。主な治療は抗菌化学療法と全身管理であるが,尿路のうっ滞を伴う症例においては,尿流を改善する処置としてのドレナージが予後を左右することもあり,知識と経験に基づく迅速な診断と対応が求められる。日常診療においては,院内での尿路感染症分離菌や薬剤感受性の動向を把握しておくこと,ならびに慢性持続感染例では患者個人における尿の監視培養を実施しておくことが,適切な初期治療を開始するために重要である。