発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201302127
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多数の同効薬全体の副作用情報をビジュアル化することによって,医薬品同士の比較も含め,短時間で見通し良く多くの情報が得られるようになる。その有力な方法に,多次元情報の可視化に適したデータマイニング手法の一つである「自己組織化マップ(SOM)」がある。
今回,医療現場でよく使用される糖尿病治療薬45剤を対象として,副作用の添付文書情報をビジュアル化した。最近は新たな作用機序を持つDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬やGLP-1(glucagon-like peptide 1)アナログの利用も急速に広がり,効果だけでなく,その副作用発現にも注目が集まっている。SOM を用いた副作用発現情報により,全体的な発現傾向の確認や発現予測の検証を行った。現場では,最初にこれらのビジュアルな情報を大まかに把握し,絞り込んだ必要な情報を添付文書やインタビューフォーム,文献で詳細に調べるようにすれば,効率的な副作用対策等が立てられるであろう。膨大な副作用情報のポータル(入り口)として医療現場でうまく活用していけば,医療従事者の負担を軽くする一助となるだけではなく,患者へのより良い医療の提供につながるものと期待できる。