潰瘍性大腸炎-明日から使える内科治療のコツと最新情報
治療 Fecal microbiota transplantation
西田 淳史
1
,
安藤 朗
1滋賀医科大学 消化器内科
キーワード:
Clostridium Infection
,
Crohn病
,
再発
,
大腸炎-潰瘍性
,
治療成績
,
腸内細菌叢
,
Dysbiosis
,
糞便微生物移植
Keyword:
Fecal Microbiota Transplantation
,
Gastrointestinal Microbiome
,
Clostridium Infections
,
Crohn Disease
,
Colitis, Ulcerative
,
Recurrence
,
Treatment Outcome
,
Dysbiosis
pp.372-379
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2016355654
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近年の腸内細菌の研究や,HMP(Human Microbiome Project),iHMP(integrative Human Microbiome Project)やMetaHIT(Metagenomics of the Human Intestinal Tract)といった大規模なコンソーシアムによるメタゲノム計画によって,腸内細菌は単にわれわれの腸内に生息しているだけでなく,免疫応答や代謝などの生理機能に対して大きな影響を及ぼしていることがわかってきた.近年,腸内細菌叢をターゲットとした治療としてfecal microbiota transplantation(FMT)が登場し,現在さまざまな疾患に対してその有効性が検証されている.とくにその検討が進んでいるのが再発性のClostridium difficile infection(CDI)に対するFMTの効果であり,治療選択肢の一つとして認識されてきている.それに続き,炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease),なかでも潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)に対するFMTの効果についての検討が進んでいる.
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