小児の骨-胎生期から思春期まで
思春期と骨代謝
甲村 弘子
1
1こうむら女性クリニック
キーワード:
Estrogens
,
Turner症候群
,
抗腫瘍剤
,
骨密度
,
思春期
,
神経性やせ症
,
放射線障害
,
無月経
,
卵巣疾患
,
骨組織リモデリング
,
女性アスリート三主徴症候群
Keyword:
Amenorrhea
,
Antineoplastic Agents
,
Anorexia Nervosa
,
Estrogens
,
Ovarian Diseases
,
Puberty
,
Radiation Injuries
,
Turner Syndrome
,
Bone Density
,
Bone Remodeling
,
Female Athlete Triad Syndrome
pp.225-232
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2015274638
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思春期は骨粗鬆症を予防するという観点からもっとも重要な時期であり,最大骨量(peak bone mass)に向かって骨量の獲得とその強化が行われる.若年期に高い骨密度を維持していることは,晩年の骨粗鬆症リスクの軽減にもっとも重要な因子であるとされる.エストロゲン分泌の低下(無月経)は最大骨量の獲得とその維持に大きな影響を与える.若年女性で骨量低下をきたす疾患として,神経性食欲不振症,運動性無月経,性腺機能不全(ターナー症候群など),白血病などの悪性腫瘍治療後が挙げられる.思春期の無月経の患者に対してより積極的に骨量の評価を行い管理していくことが望まれる.現在のところ,予防や効果的な治療法についてはまだ明らかでない点も多く,これらについてさらに研究が進められることが期待される.
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