発行日 2014年8月20日
Published Date 2014/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014373032
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78歳女性。食思不振と倦怠感を主訴に受診、肝機能障害を認め、2週間後の再検では増悪を認め、急性肝炎が疑われた。肝機能検査ではトランスアミナーゼ優位の肝胆道系酵素の上昇ほか、免疫学的検査では抗核抗体(ANA)が強陽性を呈し、抗平滑筋抗体(SMA)と抗セントロメア抗体が陽性であった。そこで、肝予備能は保たれていることを踏まえて、すべての薬剤を中止したところ、肝機能は自然に改善傾向を示した。しかし、ANAとSMAは陽性となったことから、自己免疫性肝疾患の鑑別が必要と考え、肝生検を施行した。その結果、病理組織学的には門脈域は拡大し、中等度のinterface hepatitisを伴い、浸潤細胞はリンパ球と形質細胞が主体で、少量の好酸球浸潤も認められた。一方、小葉内には巣状壊死や変形所見が認められるも、肝細胞のロゼット形成はみられず、慢性非化膿性破壊性胆管炎とする変化も明らかでなかった。以上より、本症例は病理組織学的には慢性活動性肝炎F1/A2相当と診断された。
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