発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016164489
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50歳代男。無尿を主訴とした。左上葉原発非小細胞性肺癌の再発に対する化学療法後であった。4日前より全身浮腫および労作時呼吸困難が出現し、前日のクレアチニン(Cr)が19mg/dL台と著明な上昇を認めたため、緊急透析を行った。急性腎不全の原因として造影剤腎症および薬剤性腎症を考え内服薬を中止し血液透析を継続したが、10日経過しても尿量が増えず、腹部エコーと腹部CTにて両側腎杯の軽度水腎症所見と腹膜播種を認めた。腹膜播種により腎後性急性腎不全をきたしていると考え、入院第17病日にステント挿入術を施行した結果、尿量の劇的な増加および血中尿素窒素(BUN)とCrの低下を認めた。第19病日にステント閉塞により無尿となったが、第23病日に腎瘻造設後は尿量が確保でき、体重の持続的な減少、Crの持続的な低下およびBUNの低下傾向が認められた。癌治療再開のため第36病日に再転院した。
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