連載 内視鏡の読み方
発赤調陥凹型を呈した胃底腺粘膜型腺癌の1例
小島 康司
1
,
内多 訓久
1
1高知赤十字病院消化器内科
キーワード:
胃底腺粘膜型腺癌
,
発赤調陥凹型
,
H. pylori感染
Keyword:
胃底腺粘膜型腺癌
,
発赤調陥凹型
,
H. pylori感染
pp.347-351
発行日 2023年2月20日
Published Date 2023/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002549
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胃底腺型胃癌は,2010年にUeyamaらが提唱した胃底腺への分化を示す低異型度腫瘍であり,特殊型胃癌の一つとして注目された.その後,腺窩上皮への分化も示す腫瘍が報告され,現在は胃底腺粘膜型腺癌という名称で定義されており,純粋に胃底腺への分化のみを示す胃底腺型腺癌(狭義の胃底腺型胃癌)と区別されている.胃底腺粘膜型腺癌は,胃底腺型腺癌に比べて悪性度・脈管侵襲率が高いとされており,その鑑別が重要である.胃底腺粘膜型腺癌は胃底腺型腺癌と同様にHelycobacter pylori(H. pylori)未感染の胃底腺領域に多く発生し,隆起性病変が多いと報告されているが,典型像ではない症例や腫瘍の異型度によっては内視鏡診断が難しい症例が存在し,注意が必要である.
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