特集 消化器領域における免疫チェックポイント阻害薬の現状・今後の展望
4 .免疫チェックポイント阻害薬による消化器がん治療(2)肝胆膵系のがんに対する治療の現状
佐竹 智行
1
,
奥坂 拓志
1
1国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬
,
MSI‒H
,
分子標的薬
,
併用療法
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬
,
MSI‒H
,
分子標的薬
,
併用療法
pp.479-486
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001137
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近年,がん治療における免疫機構が治療の重要なターゲットとして認識されるようになり,抗PD‒1/PD‒L1 抗体,抗CTLA‒4 抗体をはじめとする免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による治療開発が進められている.肝胆膵領域においては,MSI‒H (microsatellite instability‒high)固形がんに対してpembrolizumab が使用できるのみで,ICI 単剤での治療効果は,有効性が期待された肝細胞がんであっても限定的な結果であったが,2019 年に肝細胞がんではIMbrave 150 試験にてatezolizumab(抗PD‒L1 抗体)とbevacizumab(抗VEGF 抗体)による併用療法の1 次治療での有用性が示された.胆道がん・膵がんを含め,ICI と化学療法・分子標的薬・局所療法との有望な併用治療の組み合わせが検討されており,本稿では臨床試験の現状を踏まえて概説する.
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