特集 看過してはならない不整脈
用語解説 CHADS2 スコアとCHA2 DS2 -VASc スコア
鈴木 正司
1
1信楽園病院
pp.516-516
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001731
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心房細動(AF)は血栓塞栓症の危険因子であり,抗凝固療法によりそのリスクを低下できるが,一方では出血リスクを増加させることになる.そこで個々の例において抗凝固療法を開始すべきか否かを判断する方法として,最初2001年のJAMA誌で提唱されたのがCHADS2スコアである.つまり,対象患者を心不全あり(Cardiac Failure=1点),高血圧あり(Hypertension=1点),年齢が75歳以上(Age=1点),糖尿病あり(Diabetes=1点),脳梗塞・一過性脳虚血発作・血栓塞栓症の既往あり(Stroke=2点)で評価する.結果が2点以上なら抗凝固療法を推奨,1点以上なら考慮あるいは推奨と判断する.この判断法は非弁膜症性AFでの抗凝固療法開始にきわめて有用とされたが.しかし,非弁膜症性AF例の大半ではCHADS2スコアが1点以下(血栓塞栓症のリスクが低い)となる場合が多く,結果的に抗凝固療法を受ける頻度が低下するが,対象例が多いことから血栓塞栓症例は実際には多い結果となる.
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