〔研究報告〕
外来透析施設における運動療法の導入に関する問題点と対応策―理学療法士不在の施設における取り組み
杉本 浩子
1
,
石川 友美子
1
,
山田 直美
1
,
榊原 愛子
1
,
中村 京子
1
,
石本 恵
1
,
山口 慶子
1
,
畦倉 久紀
1
,
矢部 広樹
2
1優仁会さなるサンクリニック
2聖隷クリストファー大学リハビリテーション学部理学療法学科
キーワード:
血液透析
,
運動療法
,
アンケート調査
Keyword:
血液透析
,
運動療法
,
アンケート調査
pp.1477-1484
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001516
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わが国の血液透析における,2017 年の導入患者全体の平均年齢は69.7 歳であり,HD 患者の高齢化は患者の身体機能を著しく低下させると報告されている.さらに,HD 患者の身体機能の低下は,有意な予後の悪化と関連すると報告されているため,透析患者の身体機能の改善は予後改善の観点から非常に重要である.腎臓リハビリテーションとは,「腎疾患や透析医療に基づく身体的・精神的影響を軽減させ,症状を調整し,生命予後を改善し,心理社会的並びに職業的な状況を改善する」ことを目的としており,ガイドライン中には透析患者の運動療法の標準プロトコルが提示されている.「腎臓リハビリテーションガイドライン」では,「透析患者の運動療法は,運動耐容能,歩行機能,身体的QOL の改善効果が示唆されるため,行うことを推奨する(推奨グレード:1B)」とされており,とくに透析中に実施する運動療法に限っても,その効果がいくつかのメタ解析により示されている.今後,高齢化が進む透析医療において,運動療法の提供は,患者のQOL や予後改善のために,非常に重要であると考えられる.
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