血液浄化機器2020
第Ⅴ章 腹水濾過濃縮灌流装置
大久保 淳
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院ME センター・臨床工学技士
pp.1015-1017
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001401
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1981 年以前の腹水に対する標準的治療は,ナトリウム摂取の制限と利尿薬の使用であった.さらに難治性腹水に対しては患者の症状を緩和するために,腹水ドレナージがおもに施行されていた.しかし腹水ドレナージは,一度に大量の腹水を抜くと急性腎不全やショックを起こすおそれがあり,さらに腹水中の蛋白をそのまま捨てていたため血中の蛋白が低下し,腹水の再貯留や浮腫が起こっていた.そのため急速に全身状態が悪化するなどの問題から,腹水が貯留しても抜かないで我慢する傾向であった.
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