特集 腹膜炎・腹水に対する診療の進歩
5 ．腹水の非薬物療法（2） 腹水濾過濃縮再静注法（CART）
伊藤 哲也
1
1日本赤十字社医療センター緩和ケア科
キーワード：
腹水濾過濃縮再静注法（CART）
,
腹水
,
肝硬変
,
悪性腫瘍
Keyword:
腹水濾過濃縮再静注法（CART）
,
腹水
,
肝硬変
,
悪性腫瘍
pp.1045-1048
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000855
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腹水濾過濃縮再静注法（cell—free and concentrated ascites reinfusion therapy；CART）は，利尿薬などの薬物治療に十分に反応しない難治性腹水に対する治療法として注目されている．従来は細胞成分の少ない肝性腹水をおもな対象としていたが，近年はがん性腹水に対しても施行されている．利尿薬抵抗性や腹腔穿刺排液で懸念される倦怠感，PSや経口摂取量に改善がみられるとの報告がある一方で，腹腔穿刺排液を含めた他の治療法との差異や長期経過に及ぼす影響など多くの疑問が明らかになっていない．CARTを適切に施行するために，これらの臨床疑問に対する今後の詳細な検討が待たれる．
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