アフェレシス療法-新たな100年に向けて アフェレシス療法の基礎知識
腹水濾過濃縮再静注法
伊藤 哲也
1
1日本赤十字社医療センター 緩和ケア科
キーワード:
腹水症
,
薬物抵抗性
,
利尿剤
,
癌性腹膜炎
,
腹水濾過濃縮再静注法
Keyword:
Ascites
,
Drug Resistance
,
Diuretics
pp.43-46
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015260345
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日本人の死因のおよそ3割を占める悪性新生物の代表的な徴候に腹水があり,これはさまざまな苦痛症状を呈し,またADLを障害する.腹水濾過濃縮再静注法は従来,肝性腹水に対して行われていたが,近年になってがん性腹水に対しても広く行われるようになっている.腹水濾過濃縮再静注法は施行前後での尿量増加を生じ,このことは利尿薬抵抗性の改善を示唆する.腹水濾過濃縮再静注法は,腹腔穿刺・排液でしばしば問題とされる倦怠感を含め,さまざまな症状を改善し,ADLを向上させることがわかっている.腹水濾過濃縮再静注法はがん性腹水に対しても安全に施行できることが報告されている.
©Nankodo Co., Ltd., 2015