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要旨
双極性障害のため炭酸リチウムを内服している患者に硬膜外麻酔併用全身麻酔下に膀胱修復術を施行した。患者は術後せん妄に対し,ハロペリドールが投与された。麻酔終了1時間後,患者は高熱・筋強直を主体とする臨床症状を呈し,悪性症候群または術後悪性高熱症が疑われた。本患者の麻酔維持にセボフルランを使用しており,患者は術後悪性高熱症のリスクを有していた。加えて,リチウム中毒による脱水,腹腔内感染,リチウムとハロペリドールの併用など悪性症候群の危険因子も有していた。本症例では筋生検を施行していないため,悪性症候群か術後悪性高熱症かの鑑別は困難であったが,両者の治療はダントロレンナトリウムの投与で共通している。悪性症候群,術後悪性高熱症はいずれも発見・治療が遅れると致命的な麻酔合併症である。本症例において麻酔科医による術後診察により高熱の臨床症状を指摘できたため,早期発見・治療開始に寄与できた。
A 53-year-old female who had been preoperatively taking medication of lithium carbonate for bipolar disorder underwent bladder repair surgery under general anesthesia with epidural analgesia. We herein report that postoperative rounds by anesthesiologists revealed and treated postoperative malignant hyperthermia or neuroleptic malignant syndrome triggered by postoperative administration of haloperidol.
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