特別企画 総合病院における美容医療の実践
地方の公立基幹病院における美容外科
近藤 昭二
1
,
杠 俊介
2
1伊那中央病院形成外科・美容外科
2信州大学医学部形成再建外科学教室
pp.912-920
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2024090007
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
美容外科は形成外科のサブスペシャルティであるものの,形成外科医の美容外科に対する立ち位置は異なる。美容は一切行わない,美容しか行わない,形成・美容ともに行うという3つの立ち位置があり,美容は一切行わない立ち位置の形成外科医も多いと思われる。
外科手技をもって機能と形態を改善し,生活の質(quality of life:以下,QOL)を高めるのが形成外科であるとすれば,形態を最も重視している美容外科を知れば,形成外科診療のレベルも上がる。しかし,若手形成外科医が美容外科を学ぶチャンスは,自費診療という壁に阻まれて,非常に限られている。
伊那中央病院は長野県地方部の基幹的な公立病院であるが,形成外科診療と並行して,2011年から美容外科診療を開始した。現在,美容外来の外来患者数は年間5,000人を超える。地域住民が安心して受診できる美容外科であると同時に,信州大学の形成外科・美容外科教育機関としての機能を果たしている。公立病院における,美容外科運営の実際について述べる。
Copyright© 2024 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.