増刊号 形成外科学界未来予想図
1.日本の足病医育成のために
菊池 守
1
1下北沢病院
pp.S134-S136
発行日 2023年6月30日
Published Date 2023/6/30
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2023130040
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Ⅰ 概 要
欧米では下肢救済だけでなく足にかかわるプライマリ・ケアを広くカバーする足病医(以下,Podiatrist)が歯科医と同様に存在し,本邦においても足病やフットケアなど,足の医療に関する潜在ニーズが大きいことが予想される。下肢慢性創傷や血流障害だけでなく,足部に発生するトラブルは変形や疼痛,異常は多岐にわたり,それにかかわる科,職種はさまざまである。歯や嚥下に問題が出ると食事がとれなくなるのと同様に,足部に発生するトラブルは歩行機能に影響が出ることが少なくない。歩行は人間の自立した生活に欠くことができない基本的な運動であり,歩行とそれを支える足を守ることは人としての尊厳を守ることにつながるのである。
しかし必ずしも欧米型の足病医が優れていることばかりではない。海外の足病医学のコンセプトをそのまま取り込むのではなく,本邦にあった日本型足病医の確立が必要とされるが,その育成の仕組み作りはなかなか進んでいないのが現状である。
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