Japanese
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はじめに
局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy:以下,NPWT)は,急性および慢性創傷に対して局所的に管理された陰圧を付加することによって創傷治癒を促進させる治療法である。2010年に保険収載されてから瞬く間に全国的に普及し,現在においては難治性創傷治療デバイスとして臨床に欠かせない存在となっている。このNPWTの在宅医療における対象病態として,①外傷性裂開創,②外科手術後離開創・開放創,③四肢切断端開放創,④デブリードマン後の皮膚欠損創と定義されているが,通常の医療施設での使用状況も含めて具体的に使用された対象病名の全数調査結果は公表されていない。非公式な統計資料となるが,国内メーカーなどに問い合わせたところ,約75 %は褥瘡病変に用いられており,次いで約20 %が四肢創傷,その他という利用状況にあるようである。これは実臨床の感覚としても納得のいくところである。
この褥瘡患者の多くは自宅もしくは診療報酬上の定義として在宅の範疇に含まれる居住系介護施設などおよび介護老人保健施設などから急性期医療施設に紹介されてくることが多い。そのため本稿のテーマである「在宅医療におけるNPWT」を考えるうえで,この「在宅」の範囲は自宅および居住系介護施設などとし,対象疾患としては「褥瘡病変」を想定して記述する。言い換えれば,訪問診療によって在宅療養中の褥瘡病変患者にNPWTを実施することができるのか,またその際に形成外科医が果たす役割は何か,という内容を検討する。
The role of plastic surgeons in home medical care in Japan is summarized herein. Although it is desirable to increase the number of physicians with specialized wound management skills who can treat patients at home, doing so has been difficult. We hope to see more plastic surgeons participate in telemedicine wherever they work. Supporting home medical care is now becoming expected of plastic surgeons, and such support could also be provided by other types of medical specialists.
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