投稿論文 原著
外傷性眼球陥凹に対する肋軟骨移植において生理食塩水注入を用いた移植量測定法の検討
有沢 優子
1
,
神山 圭史
,
大口 雄也
,
渡邉 亮典
,
森島 容子
1大垣市民病院 形成外科
キーワード:
組織移植
,
眼窩骨折
,
顔面外傷
,
X線CT
,
眼球陥入症
,
コンピュータ支援設計
,
治療成績
,
生理食塩水
,
肋軟骨
Keyword:
Facial Injuries
,
Treatment Outcome
,
Computer-Aided Design
,
Enophthalmos
,
Tissue Transplantation
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Orbital Fractures
,
Saline Solution
,
Costal Cartilage
pp.704-709
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021256355
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外傷性眼球陥凹に対する肋軟骨移植において、生理食塩水を眼窩内に注入して測定する方法(SE法)にて移植量の計測を行い、有効性について検討した。当院において眼球陥凹を有する陳旧性眼窩骨折に対し、SE法を用いて眼窩内への移植量を計測し肋軟骨移植術を行った4例(男性2例、女性2例、平均34.8歳)を対象とした。症例1ではSE法とcomputer-aided design(CAD)の予測量および補填量がすべて3.0mLと同量であり、術後の眼球陥凹も-0.01と良好な結果が得られた。症例2ではSE法とCADの予測量は46mLと44mLでほぼ同量であったが、術中に眼球圧迫所見があったため実際の補填量は2.5mLであった。症例3においてもSE法とCADの予測量はほぼ同量であり、症例4ではSE法の予測量がCADの予測量よりも多少大きい値となった。合併症を認めず良好な眼球陥凹の修正が画像上でも確認できるため、SE法は有用な方法と考えられた。
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