特集 いま改めて妊娠高血圧症候群を考える―診療指針改訂のポイントから―
企画者のことば
中島 彰俊
1
Akitoshi Nakashima
1
1富山大学医学薬学研究部産科婦人科教室(教授)
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002132
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妊娠高血圧症候群は,2005年『妊娠中毒症から妊娠高血圧症候群へ―過去から未来へ―』によってpregnancy induced hypertension(PIH)として定義・分類され,2009年には『妊娠高血圧症候群(PIH)管理ガイドライン』として治療指針が示されてきました。その後,内科医の先生方にもご参画いただき『妊娠高血圧症候群の診療指針2015 Best Practice Guide』が刊行され,家庭血圧の重要性についても記載されるようになりました。そして,妊産婦の高齢化に伴い高血圧合併妊娠の頻度も上昇し,妊娠前からの高血圧症の存在が無視できず,諸外国では定義・分類が変更されました。海外における表記もtoxemia of pregnancyはPIHに,そして現在hypertensive disorders of pregnancy(HDP)となり,わが国でもそれに対応するため2018年に定義・臨床分類・診断基準を全面改定し,診療指針も改訂することにしました。
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