特集 子宮頸がん予防—日本はどうする?—
企画者のことば
宮城 悦子
1
Etsuko Miyagi
1
1横浜市立大学医学部産婦人科(教授)
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001202
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子宮頸癌をはじめとするヒトパピローマウイルス(human papillomavirus;HPV)関連がんの1次予防に向けて,多くの先進国のアカデミアと行政機関や世界保健機関(World Health Organization;WHO)は,HPVワクチン接種の啓発と普及を強く訴えかけています。現在は,男女の区別のない接種,若年者への3回接種から2回接種への転換,新たな多価HPVワクチンの認可などが国際的な話題となっています。また昨年WHOが,世界中で90%の女性が15歳までにHPVワクチンを接種し,70%の女性が35歳と45歳で確実性の高い子宮頸がん検診を受け,90%の子宮頸部病変を有する女性が適切な治療を受ける目標を2030年までに達成すれば,2085〜2090年に子宮頸癌は,がんの排除の基準とされる女性人口10万人あたり4人未満に達すると公表したことは,世界の子宮頸がん予防の戦略として大きなインパクトがありました。
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