経験
2008~2020年度の13年間に当院小児科で経験した腸重積症における感染性胃腸炎
村瀬 有香
1
,
西村 直子
1
,
西村 直人
1
,
安藤 拓摩
1
,
武内 俊
1
,
後藤 研誠
1
,
竹本 康二
1
,
尾崎 隆男
1
1江南厚生病院こども医療センター
キーワード:
腸重積症
,
感染性胃腸炎
,
アデノウイルス
,
ロタウイルス
,
ロタウイルスワクチン
Keyword:
腸重積症
,
感染性胃腸炎
,
アデノウイルス
,
ロタウイルス
,
ロタウイルスワクチン
pp.279-285
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002514
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
腸重積症は,小児における急性腹症の代表的疾患である.口側腸管が肛門側腸管に引き込まれて腸管壁が重なる状態を腸重積と称し,それによって引き起こされる腸閉塞症が腸重積症と定義される1).病因として,引き込まれた腸管の先端部分にポリープ,Meckel憩室,腸管重複症,血管性紫斑病などの器質的病変を伴うものと,特発性のものとに大別される.特発性腸重積症では,先行感染によって回腸末端および回盲部のリンパ濾胞の肥厚や腸間膜リンパ節腫脹が先進部となり腸重積症を発症する機序が考えられている2).特発性腸重積症の約30%で発症前に何らかの感染症に罹患しており,とくにアデノウイルス(adenovirus:AdV)感染症の頻度が最も高いと報告されている1).また,わが国では2020年10月に定期接種化されたロタウイルス(rotavirus:RV)ワクチンと腸重積症の関係も注目されている3).
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.