特集 子どものコモンな微徴候・微症状
皮膚・爪
21.肌の乾燥・かゆみ(アレルギー予防の観点を含む)
堀向 健太
1
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター小児科
キーワード:
ドライスキン
,
palmar hyperlinearity
,
保湿剤
,
抗炎症外用剤
Keyword:
ドライスキン
,
palmar hyperlinearity
,
保湿剤
,
抗炎症外用剤
pp.1092-1096
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001883
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皮膚が乾燥し“かゆみ”があるという訴えは,少なからず見受けられる.乾燥した皮膚を“ドライスキン”と称し,本稿ではドライスキンを,「発汗や湿気などから与えられた水分を角層に保持する能力(保湿能)が減弱したために皮膚が乾燥した状態」と定義する1).そして皮膚のバリア機能の大きな部分を占める角層の機能が低下すると,皮膚のかゆみ(瘙痒)が惹起されやすくなる.かゆみは,「掻きたい衝動を引き起こす不快な皮膚の感覚」と定義され,小児では自制が不十分で掻き壊しまで達することも少なからずある.そして小児に多いアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)は,皮膚バリア機能の低下と関連しかゆみをきたす最も一般的な原因の一つである2).
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