症例
未治療の停留精巣に精巣捻転症を合併した重症心身障害児の1例
渋谷 貴大
1
,
森田 昌男
1
,
新保 和広
2
,
下山 英
3
,
佐藤 隆史
1
,
大前 綾
1
,
細山 直人
1
1千葉県勤労者医療協会船橋二和病院小児科
2同小児外科
3同病理診断科
キーワード:
停留精巣
,
精巣捻転症
,
重症心身障害児
Keyword:
停留精巣
,
精巣捻転症
,
重症心身障害児
pp.291-296
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001666
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停留精巣診療ガイドライン1)には,停留精巣の合併症として不妊,悪性腫瘍,鼠経ヘルニア,軸索捻転症および身体的・精神的トラウマなどの問題を被ることが指摘されており,同ガイドラインには精巣が時間とともに進行性に障害を受けることから,1歳前後から2歳頃での早期手術が推奨されている.しかし,重症心身障害児では手術麻酔による気道クリアランス能力低下による呼吸器感染症,低酸素血症,心伝導障害に伴う致死的不整脈などのリスクがあることから,手術が施行されずに青年期を迎えることがたびたびある.今回,鼠径部の有痛性腫瘤の精査・加療目的で入院し,入院後に施行した外科的生検・病理学的検索により,停留精巣に合併した精巣捻転症と診断した思春期の重症心身障害児例を経験したので考察を交えて報告する.
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