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電子カルテと患者コミュニケーション
中島 康晴
1
1九州大学大学院医学研究院,整形外科学分野
pp.1-1
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/seJ.0000000002
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電子カルテが日常診療の一部となって久しい。2015年の統計では病院全体の41%,300 床以上の病院では77%において電子カルテが導入されているらしい。私が従事する九州大学病院では2009 年に電子カルテが本格導入された。その直後は入力の手間に不満を言ったものだが,慣れてみれば何ということはない。いまさら紙カルテに戻れと言われても,もはや無理である。電子カルテの利点は数えきれない。例えば,字を書く必要はないし,時系列で血液データを見ることもできる。整形外科医としては,レントゲン袋からフィルムを取り出す手間が無くなったことも挙げたい。以前は看護師さんがフィルム袋を出してくれて,私達は一人ひとりの外来診察のたびに新旧のフィルムをシャーカステンに並べていた。重要なフィルムを探して袋の中を引っかき回した経験は,おおよそ卒後10 年以上経過した医師であれば誰にでもあるであろう。ひるがえって現在は,院内のどのコンピュータからでも画像を見ることができるし,見たい画像も容易に見つけることができる。便利になったものである。
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