特集 大腿骨近位部骨折における二次性骨折の予防
扉
山本 智章
pp.910-910
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003054
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2012年にFragility Fracture Network(FFN)のglobal会議に初めて参加した時に学んだことは,骨粗鬆症性骨折から脆弱性骨折という視点への切り替えでした。「脆弱性」という言葉の意味が,骨格にとどまらず全身的な問題を指しているということを理解すると,本疾患の重大性が改めて認識されることに小さな衝撃を受けたことを覚えています。FFNのvisionには脆弱性骨折ケアの最適化のための集学的治療体制,二次性骨折予防のためのFLS(fracture liaison service)の普及,医療政策へのアプローチとあります。国際的な歩みを共有しながら日本における脆弱性骨折に関わる関連学会をつなぐ組織として日本脆弱性骨折ネットワークが2015年に法人化されました。そして2022年春の診療報酬改定は,これまでも患者の視点で大腿骨近位部骨折の早期手術対応や二次性骨折予防に積極的に取り組んでいた医療機関にとって嬉しいニュースとなり,何よりも患者にとって大きな恩恵をもたらすパラダイムシフトとなりました。
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