Japanese
English
論究
大相撲力士における頚部傷害予防の現状
Current perspectives on the prevention of neck injuries in sumo wrestlers
土屋 正光
1
,
長瀬 寅
1
,
立石 智彦
1
,
中川 照彦
1
,
平井 高志
2
Masamitsu TSUCHIYA
1
,
Takashi HIRAI
2
1同愛記念病院,整形外科
2東京医科歯科大学,整形外科学
キーワード:
Sumo wrestler
,
Neck muscle strength
,
Atlas fracture
Keyword:
Sumo wrestler
,
Neck muscle strength
,
Atlas fracture
pp.189-198
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002878
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要旨:大相撲力士の頚部傷害,特に環椎骨折力士の検討と,力士の頚部筋力を検索し,大相撲力士の頚部傷害予防の現状を報告した。1999~2004年の大相撲力士の環椎骨折6例と,2005~2019年の14例の環椎骨折力士,および某相撲部屋力士の年1回のメディカルチェックにおいて頚部筋力測定を行った延べ118例を頚部筋力検索の対象とした。1999~2004年の環椎骨折力士6例は1例の不明例を除き,全例偽関節であった。2005~2019年の環椎骨折力士のうち3例にhalo vest装具による強固な固定を行い,1例に骨癒合を認めた。しかし数場所後,相撲の取り組みで再骨折した。経過観察できた9例のうち2例に骨癒合を認めたが,7例は偽関節であった。頚部筋力では,番付下位の力士は,上位の力士より伸筋,屈筋とも弱く,また番付上位の力士も屈筋筋力が弱い。立ち合いのときのぶつかり方,また頚部筋力強化を指導しているが,頚部傷害予防の取り組みはさらに続ける必要がある。
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