整形外科手術 名人のknow-how
手指PIP関節の人工関節置換術
-―背側伸筋腱縦割進入法の応用―
浜田 佳孝
1
Yoshitaka HAMADA
1
1関西医科大学総合医療センター,手外科センター
pp.112-117
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002863
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手指近位指節間(proximal interphalangeal;PIP)関節の変形性関節症(osteoarthritis;OA)に対する人工PIP関節置換術は,掌側進入でシリコン型人工関節置換術(silicone implant arthroplasty;SIA)選択が現在も主流とされている。筆者らは表面置換型人工関節置換術(surface replacement arthroplasty;SRA)を用い,以前は掌側進入を,最近は背側伸筋腱縦割進入法(dorsal central splitting approach;DCSA)を中心術式としてきた1)~3)。関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)では進行したボタン穴変形やスワンネック変形が本手術の適応となることがあるが,変形の再発や可動域の獲得がOAより困難な症例が多い。RA患者の活動性は高くなく,複数箇所の同時手術例も多いことなどから,OA以上にRAではSIAが選択されることが多い。ただし,中手指節(metacarpophalangeal;MP)関節と比べて側方ストレスにもさらされやすいPIP関節では,SIAでの軸偏位や破損・変形の再燃は問題点として残されている。
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