特集 膝蓋大腿関節障害の治療
扉
木村 由佳
pp.8-8
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002834
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膝前面痛や膝蓋骨不安定症といった膝蓋大腿関節障害は,日常診療でたびたび遭遇する疾患です。比較的発生率が高く,臨床研究や基礎研究が盛んであるにもかかわらず,その病態は未だ謎に包まれていることから,“The black hole of orthopedics” とも表現されています。膝蓋大腿関節障害の歴史をさかのぼると,1906年にBüdingerが外傷後に生じた軟骨の亀裂を報告したのが最初とされています。その後1928年にAlemanが同様の膝蓋軟骨所見を “chondromalacia post-traumatica patellae” と提唱して以来,膝蓋骨軟化症として報告されてきました。本邦においては,1965年頃までは膝蓋骨軟化症と診断される症例はまれであったと記載されていますが,1970年代の後半から徐々に関心が集まり,膝蓋大腿関節に生じた症候群として議論されてきました。
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